
レンタルサーバーであってもssh接続を使うことができるようになってきました。しかしながら、わざわざssh接続を使うメリットはどこにあるのか、まだ広く知られているわけではありません。そこで、この記事では、ssh接続サービスとはそもそも何かという問題からレンタルサービスでssh接続を選ぶことで得られるメリットまで幅広く紹介していきます。
ssh接続の特徴とは何か
ssh接続はよく上級者が使う接続方法だと言われていますが、実際のところどのようなものかというと、ネットワークに接続した機器を管理することを言います。そもそもsshはSecure Shellの略称であり、その特徴はレンタルサーバーやプライベートサーバーなどのネットワークに接続された機器を遠隔操作で安全にサーバーに接続して操作することです。
なぜそのように遠隔操作で管理する必要があるのかといえば、防犯対策のためと言えるでしょう。たとえば、もし誰かが悪意をもってサーバーに勝手に接続してしまうと、サーバー内の情報がすべて取得されたり、好き放題にサーバーを使ったり、ひどいときには経済的な損害が起こることもあります。
ssh接続の難易度とパスワード設定の注意点
ssh接続はプライベートサーバーで主に使われることが多いため、レンタルサーバーではあまり用いられていません。そのため、ssh接続はどこか難しいという印象が広まっていますが、実際にはそのようなことはありません。
必要な情報があれば簡単に設定することができるのです。必要な情報というのは、サーバーアドレス、ユーザー名、パスワード、ポートの4つです。これらの情報があればsshでサーバーにログインすることができるようになります。
ただし、注意点もあります。それはパスワードの設定です。パスワードの設定方法は2種類あります。1つはパスワード認証方式です。これはサーバーのユーザーアカウントに設定しているパスワードをそのまま適用するというものです。
いちいちパスワードを最初から設定するという手間を省くことができるというメリットがあります。もう1つは公開鍵認証方式です。パスワード認証方式よりは手間がかかりますが、安全性が高い方式であり、第三者から不正ログインを防止できる可能性がより高いと言われています。
こうしてパスワード設定が終われば、linuxコマンドなどを使ってサーバーを遠隔操作で管理していくことになります。
ssh接続は安全に通信できる
セキュリティのレベルが高いこともssh接続を使うメリットに挙げられるでしょう。ssh接続は高い水準で安全性が確保されていますが、たとえば、ファイルを転送したいときに転送時も暗号化がされています。ssh接続のように遠隔操作で管理する通信規格はいくつもありますが、これらは通信中のデータが暗号化されずセキュリティ面において不安があるため、利用するユーザーが少なくなってきています。
その代わりに台頭してきたのがssh接続です。もちろん、ssh接続以外であってもSSL暗号化によって安全性を高めているケースも稀にありますが、基本的には転送時の暗号化は行われていないことが多いです。重要な情報を転送するときにssh接続を使えばセキュリティ面で安全です。
スピーディーな操作ができる
レンタルサーバーでssh接続を利用するメリットにはいろいろありますが、その1つはサーバーにあるファイルを直に操作することができるということです。ssh接続を使わない場合は必ずダウンロードをして、その後に解凍作業を行って、サーバーにアップロードするという手順を踏まなければいけません。
ssh接続ではそのような手間がかからないのです。また、ファイルの中身がドキュメントであれば、ssh接続であれば直接編集することが可能です。ssh接続でなければダウンロードをしてエディタで編集してからアップロードするなど手間がかかります。
ssh接続はできるだけこうした手間を省いてスピーディーな操作を実現できるというわけです。効率的に作業したい人に打ってつけでしょう。
データーベースも直接操作することが可能
ssh接続で操作することができるのはファイルだけではありません。レンタルサーバーにおけるデータベースも直に操作することができるのです。一般的にレンタルサーバーでデータベースを操作するときには直接出力することはできません。
その代わりにphpMyAdminをはじめとした管理ツールがあるのですが、こうしたグラフィカルユーザインターフェースを用いた管理ツールは、視覚的で操作がしやすい反面、操作が重くなりやすいのです。また、データベースそれ自体のファイルサイズが大きければより一層操作が重くなりますし、ひどいときにはエラーが頻発して操作を進めることができなくなることもあります。
レンタルサーバーでssh接続を使うと、負荷が非常に軽いため、エラーの頻発は起こりにくく、そもそも操作が重くなることも少ないのです。そのため、安定した状態で作業者は作業を進めることができます。これもssh接続のメリットの1つです。
その他のメリット
他にもメリットはまだまだあります。たとえば、レンタルサーバーであってもコマンドラインツールの導入ができることです。一般的にソフトウェアはコマンドラインツールで動かしますが、レンタルサーバーではこれらは使うことができません。
しかし、ssh接続であれば、レンタルサーバーであってもコマンドラインツールが利用できるようになります。ただし、一部制限がある場合もあります。たとえば、パッケージ管理系のコマンドは使うことが禁止されていて、導入ができません。
また、スクリプト言語を追加でインストールすることができるのも大きなメリットでしょう。もちろん、レンタルサーバーであってもよくつかわれるスクリプト言語は導入されています。しかし、言語によっては導入されていないものもあり、使い勝手が悪いと感じるユーザーもいます。
ssh接続であればあとから自分に必要なスクリプト言語を追加していくことができます。このように、レンタルサーバーでssh接続を使うメリットには多種多様なものがあります。
ssh接続はとても利便性が高い

レンタルサーバーでssh接続を使うことのメリットをいろいろな面で紹介してきましたが、これほど便利だと初めて知った人もいるかもしれません。上級者用の機能だと考えられがちですが、決してそのようなことはなく、レンタルサーバーに簡単に設定することが可能です。
ssh接続について漠然としたイメージしかもっていなかった人はぜひ利用して実感してみることをおすすめします。